昨日、私の知り合いの方からこんな相談をいただいた。

中学生の息子の友達がfacebookを初め、友達申請してきたので承認したら私の仕事上の知り合いにまで全部友達申請をしていた。
それだけならまだ良いが、昔の自分の担任と繋がったらしく、友達(facebook登録しているか未確認)の名前を実名で記載し、その進路や現状をウォール上で繰り広げていたという。
また、その子どもの友達の投稿を見ると、大人にモノをねだる少女もいたというのだ。
知人が「これはマズイ!」と慌てて双方にメッセージを送り、facebookのように実名やプロフィールを明かしたSNSで無作為に繋がること、関わりのない人の情報をネットに晒すことのリスクを説明したということ。

さらにシェアして欲しいとメッセージのコピーを送ってくれた。
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Facebookのこと 中学生の皆さんへ

Facebookは上手に使うととても便利です。チャットが出来たり、テレビ電話のように使えたりもします。でも設定をしっかりしないと個人の情報がどんどん流れて世界中に広まってしまいます。友達の関係も家の住所も電話番号も全部バレバレです。

突然、知らない人から電話がかかって来たり、何か買わないか?と誘いがきたりするかも知れません。

ネットでつながる先には『悪い人』がいるかも知れません。

昨日、おじさんの所に中学生から友達申請がありました。するとおじさんのお仕事先の方々にも同じような申請がありました。大人の人は仕事で使ったり、それぞれ大切なことに使っています。その大人達に友達申請をして、迷惑になることもあります。(怒っているのではありません。)

Facebookは13歳になると参加出来ます。そして18歳まで子供が危険に遭わないようプライバシーの保護がされています。けれど、それだけでは心配です。

最初にFacebookの使い方、約束事の説明を良く読みましょう。分からない時はお父さんに聞いたり、詳しい先生に聞いたりしてみましょう。安全な設定にしてから楽しんで欲しいのです。

知らない人に友達申請をしない。知らない人からの友達申請を受けない。友達の悪口等を書いたりしない。夜遅くまでチャットをしない。ルールを守って楽しんで欲しいのです。そうでないと問題になって、親や学校から禁止されたりするかも知れません。

上手に使って下さい。おじさんはこれを中学生のお友達にシェアしてくれてルールを守ってくれることをお願いします。m(_*_)m
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学校の先生にも電話して面談したが、そもそもSNSなどのネット上のコミュニケーションが理解できていないのかピンと来ていなかったらしく、聞かれることは「どの生徒か?」ということばかりだったという…
魔女狩りをするのが目的ではない。
このような問題を学校側でもキチンと理解し、学生に指導しなければいけないのではないか?というのが目的でわざわざ出向いたのに…と非常に残念がっておられた。

学校の言い分は、そもそも学生には校内での携帯電話の持ち込みを禁止しているそうだが、就学時間外、敷地外においての使用は保護者の判断に任せることになる。
どのようなサイトを見ているかをいちいち確認出来ないので、大まかな指導しかできないということ。

塾やクラブ活動で帰り時間が遅くなる子どもに携帯電話を持たせるの親の気持ちは理解できる。
アダルトサイトなどの不健全なサイト閲覧防止のためのフィルタリング機能の推奨など、様々な防衛策が出されているが、SNSそのものをいきなり規制するのは非常にむずかしい。

さらに、もう一つ大きな問題があることがわかる。
この子供達に正しい使い方をしっかり説明出来る大人そのものが少ないということだ。

「教育者(保護者を含めて)のデジタルネイティブ世代への対応の遅れ」

知らない事は教えられない。
危ないことはやらせない→規制・フィルタリング、これはあまり効果が無い。
規制やフィルタリングはちょっと知識があればいくらでもくぐり抜けられる。
正直な話、現代の子供達の方が下手な大人より情報量は多く、知識は高いのだ。

現場の先生たちも正しくはどう教えればいいのか、いまだに手探りの状態であるのが現状のようだ。
ましてそういった指導方針を定める上層部はデジタル弱者が多いという現実が対応をさらに遅らせる。
私も以前地元の国立大学教授に「子供達へのICTリテラシーをいつ、どのタイミングで、誰が教えるべきなのか?」を問うた事があるが、明確な答えは得られなかった。

もちろんこの問題を学校教育に押しつけることもまた問題であると思っている。
学校側が禁止している携帯電話の所持を親がそれぞれの都合でルールの外で持たせているのにもかかわらず、その使用ルールについては教師同様、正しく教えられる親が少ないのだ。

最近は民間でこのようなリスクマネジメントを指導する企業もあるので、一日も早く導入を検討しなければならない時期に来ているのではないだろうか?