THE HUFFINGTON POSTで流れてきたこの記事

「水に落ちた犬を打つようで申し訳ないが | 山田肇」

東京都知事選挙での細川護熙候補者陣営のネット選挙運動についての記事だがうなずける部分が非常に多い。

「直面する選挙の直前に始めるのではなく、今からネットを政治活動に利用するように努力すべき」

筆者は参議院選挙の直後に言ったらしいが、私はこれを山形の議員に対し3年前から言ってる。
ところが、その後ネットを活用した議員は数名のみ。他はいくら言っても理解されない。

2013年夏の参院選からネット選挙運動が解禁になり、早々に陣営に「対策を協議しよう」と持ちかけたところ、選対の役員である県議から「必要ない」とハッキリ言い切られた。
しかし直後に党本部からネットを活用するように指示が出て、県連スタッフがいきなり始めたという実状で、小泉さん同様、選挙が終われば県連はまったく更新すらしなくなったのある。

※山形県選挙区の衆議院議員、今回当選した参議院議員はしっかりとSNSに投稿し、日々の活動を可視化している。

また3年前に私が講師を務めた議員研修会後の質疑応答では「私の支持者はほとんどが年寄りだから…」「田舎でインターネットなんて」と、今でもWEBサイトもBlogすらない県議・市議もゴロゴロいる。

確かに深刻な高齢化の進む地方自治体では今でも、そしてこの先もこの方法で勝てるのかも知れないが、選挙のたびに支持者が減る(亡くなる)ということをどう考えているのだろうか?

一体いつまで高齢の方が高齢の方を相手にした選挙・政治をする構図は続くのだろう。

この問題はネットを活用している世代にも責任はある。
あらゆる情報は手に入る、自分の主義主張、意見も表現できるはずの有権者が、投票に行かないのだ。

無関心なのではない、実はちゃんと見ている。

もはやインターネットではテレビや新聞報道では流れない情報まで手に入る。

不満はある。

でもネットには書かない。

それらの理由は
政治的意見を書いたりするとたちまち袋だたきにあう恐れがある。
上司に見られて反論されたりしたら面倒だ。
余計な事を書いて周囲との関係が壊れるのがいやだ。
などがある。

こうして欲しいと言う要望、自分の街や自分の生活が良くなりたいという欲求はある。

それでも投票に行かない。

こうした様子を変えようとしたのが今回立候補して“ネット選挙運動を中心に”戦い、88936票も集めた家入一真候補陣営の戦い方だった。

私は家入氏が東京をどうしたい、何がしたいのか政策が見えず、政策をSNSで募集して決めるという手法は面白いが、都議会や区議会議員ならそれもありかと思うが、時には住民に厳しいお願いをしなければならない強いリーダーシップを必要とする自治体の首長としてはその手法に賛同もできなかった。
その実行力も未知数であったため選挙での応援はしなかったが、その“戦い方”はずっと注目してきた。

いずれにせよこの結果はネットの利用価値を充分に知らしめることになったと思う。
今後、この手法を使って統一地方選でも候補者を擁立してくるらしい。

是非、今後は候補者と有権者が顔を出さずとも意見交換が出来、それがキッカケで直接顔を合わせ、手を取り合えるようになるんだということをネット選挙運動の意義として広く理解され、地方選挙でもこのような動きが広まる事に期待したい。