卒業生の皆さん御卒業まことにおめでとうございます。後援会を代表してお祝いし,ここに至る皆さんの努力に敬意を表します。
また卒業生を今日まで支えてこられた御家族,関係者の皆様にも,心からお祝いを申し上げます。
さらに、卒業生たちを今日まで導いてこられた先生方,また学業や学生生活に必要な支援を与えてこられた職員の皆様にも,改めて御礼を申し上げたいと思います。
さて、人文学部後援会というのは学生の保護者が学部の運営に協力をするための機関であり、小中高校のPTAのように親が集まって何か行事をするというわけではありません。
本学に子を通わせる親という立場は皆同じ、私もたまたま大学から徒歩圏内に住んでいたことと、大学の職員の方と知り合いだったことからこのような場所で挨拶をすることになったものであり、後援会長などといっても偉くも何にもないものです。
今日、この場でみなさんにお祝いの言葉を述べることが、後援会長として最大のクライマックスであります。一所懸命考えてきましたので少しの時間おつきあいください。
卒業生の親として、みなさんのご両親ときっと同じ事をお考えではないか?と思い、4年間を振り返り、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
卒業生の皆さん方は日本の大きな改革の真っ只中で学生生活を送られてきた学年でした。
入学の前の年に東日本大震災が発生し、また福島原発の事故影響で放射能汚染が懸念され、1年が過ぎたとはいえ、東北は大丈夫なのか?と未だ不安視される中、この山形大学を選びご入学されました。
県外から本学に子どもを送り出す親御さんにしてみれば、相当なご心配と不安があったことと思います。
その年2012年の暮れに行われた衆議院選挙においては政権が交代し、そして2年後の2014年には消費税が17年ぶりに5%から8%に引き上げになりました。
消費税の増税は、仕送りをしていただいた親御さんにおいても、みなさんの学生生活においても、直接影響のある大変厳しい改正であったかと思います。
これら政治的な改正以外にも、学生の皆さんにも直接影響する改正がありました。
就職活動の企業の選考解禁日がそれまでの4月解禁から8月解禁に変わったことです。
大学4年生の1年間を本来の高等教育の時間とするべきだという目論見で行われた変更でしたが、実質は従来より短時間で就職活動をしなければならなかった、というものだったことと思います。
しかしその解禁日も来年度からは、再び6月に前倒しするとのこと、なぜこの学年だけがそのような目に遭わなければならなかったのか?
親の一人として大変な憤りを感じているところです。
また昨年、地方創生の一環として「奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進」が実施されることが決まりました。
どういう制度かと申しますと、地方創生予算により、地元へ就職する大学生の奨学金の返済を一部または全額支援することで地方に定着させるという制度です。
これも残念ながら来年度卒業する学生からが対象で、これまでのOBや卒業生の皆さんは適用外となっています。
この件については「今社会人になっている世代の若者にもこの制度を活用出来るようになれば、多少賃金が低くとも地元に帰って来たいと言う者が大勢いるはずである、是非制度範囲をOBにも広げてくれ」と声を上げていかなければならないと考えているところです。
もうひとつ、私からみなさんにお伝えしたいことがあります。
自分の存在意義、価値は自ら切磋琢磨して作って行って欲しいということです。
近年のSNSなどのインターネットサービスにより、誰でも気軽に時間・距離・文化・国境を越えた個人の発信が発信者側の都合で自由に行う事が可能になり、それらに多数の感情や意見、反応があつまるようになりました。
しかし、自分たちにとっては楽しいはずの投稿が、自分の周りに限定してこっそり楽しむはずの投稿が、漏えいし、学校や所属先企業、周りの人たちに大きな迷惑をかけるケースが起きている事はご存じかと思います。
これらのSNSに投稿する理由の多くは「他の人からの反応がたのしい」と「見られているという実感が得られる」いうものだそうです。
しかし、本来皆さんが自らの考えや行動を人に見てもらう方法はネットへの投稿ではなく、自らの言動や行動を目の前に接している人と社会であるということを改めて考えて欲しいのです。
自分たちにとっての「楽しいこと」が、他の人に与える心情や影響がどうであるか?を一歩立ち止まって考えることができる人になってください。
今後は科学技術の進歩がさらに進み、特にAI(人工知能)の発達はめざましく、これらが実用化されていくと、今人間の手で処理されてる作業の何割かがロボットでまかなえるようになり、労働力としてのマンパワーが溢れて出す時代が来ると言われています。
そのような社会の中でも、必要とされる人間とはどういうものか?を絶えず考え、その努力と勉強を続けていただきたいと思います。
最後になりますが、
皆さんの中には、高校を卒業し大学入学を機に親元を離れ、ひきつづき地元を離れて就職される方がいらっしゃることと思います。
全てのご両親はあなたたちの幸せをなんの掛け値もなく心から願っております。
いろいろな人と出会い、いろいろな経験を積んで、子ども達の人生が幸せであってくれればいいと言ってくれていると思います。
それでも、口にはしないでしょうが、本音は帰って来て欲しいのです。
是非、ふるさととご両親を大切にしてください。
これまでの恩返しは元気に実家に帰って来てくれることです。
一年に一度でもいい、ご両親といっしょに過ごす時間を作ってください。
ご両親に変わって私からお願いいたします。
そして卒業を機に山形を離れるみなさん、是非また山形に来てください。
仕事や人生で悩んだとき、小白川から見える蔵王の山々を思い出し、山形の豊かな自然の空気を吸ってリフレッシュしにいらしてください。
地元から本学に通われた、卒業後も山形に残られるみなさん、県外に行かれたご友人先輩に山形の近況をお伝えください、そして是非山形に呼んであげてください。
卒業生のご家族のみなさん、山形のふるさと納税はお返しが大変良いと評判で、非常に人気がありますので是非ご活用いただき、山形との関わりを続けてください。
卒業生の皆さんのこれからのご活躍と、ご両親、ご臨席のみなさまのますますのご健勝を祈念して私からのご挨拶とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
平成28年3月25日
山形大学人文学部後援会長
大宮孝治
また卒業生を今日まで支えてこられた御家族,関係者の皆様にも,心からお祝いを申し上げます。
さらに、卒業生たちを今日まで導いてこられた先生方,また学業や学生生活に必要な支援を与えてこられた職員の皆様にも,改めて御礼を申し上げたいと思います。
さて、人文学部後援会というのは学生の保護者が学部の運営に協力をするための機関であり、小中高校のPTAのように親が集まって何か行事をするというわけではありません。
本学に子を通わせる親という立場は皆同じ、私もたまたま大学から徒歩圏内に住んでいたことと、大学の職員の方と知り合いだったことからこのような場所で挨拶をすることになったものであり、後援会長などといっても偉くも何にもないものです。
今日、この場でみなさんにお祝いの言葉を述べることが、後援会長として最大のクライマックスであります。一所懸命考えてきましたので少しの時間おつきあいください。
卒業生の親として、みなさんのご両親ときっと同じ事をお考えではないか?と思い、4年間を振り返り、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
卒業生の皆さん方は日本の大きな改革の真っ只中で学生生活を送られてきた学年でした。
入学の前の年に東日本大震災が発生し、また福島原発の事故影響で放射能汚染が懸念され、1年が過ぎたとはいえ、東北は大丈夫なのか?と未だ不安視される中、この山形大学を選びご入学されました。
県外から本学に子どもを送り出す親御さんにしてみれば、相当なご心配と不安があったことと思います。
その年2012年の暮れに行われた衆議院選挙においては政権が交代し、そして2年後の2014年には消費税が17年ぶりに5%から8%に引き上げになりました。
消費税の増税は、仕送りをしていただいた親御さんにおいても、みなさんの学生生活においても、直接影響のある大変厳しい改正であったかと思います。
これら政治的な改正以外にも、学生の皆さんにも直接影響する改正がありました。
就職活動の企業の選考解禁日がそれまでの4月解禁から8月解禁に変わったことです。
大学4年生の1年間を本来の高等教育の時間とするべきだという目論見で行われた変更でしたが、実質は従来より短時間で就職活動をしなければならなかった、というものだったことと思います。
しかしその解禁日も来年度からは、再び6月に前倒しするとのこと、なぜこの学年だけがそのような目に遭わなければならなかったのか?
親の一人として大変な憤りを感じているところです。
また昨年、地方創生の一環として「奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進」が実施されることが決まりました。
どういう制度かと申しますと、地方創生予算により、地元へ就職する大学生の奨学金の返済を一部または全額支援することで地方に定着させるという制度です。
これも残念ながら来年度卒業する学生からが対象で、これまでのOBや卒業生の皆さんは適用外となっています。
この件については「今社会人になっている世代の若者にもこの制度を活用出来るようになれば、多少賃金が低くとも地元に帰って来たいと言う者が大勢いるはずである、是非制度範囲をOBにも広げてくれ」と声を上げていかなければならないと考えているところです。
もうひとつ、私からみなさんにお伝えしたいことがあります。
自分の存在意義、価値は自ら切磋琢磨して作って行って欲しいということです。
近年のSNSなどのインターネットサービスにより、誰でも気軽に時間・距離・文化・国境を越えた個人の発信が発信者側の都合で自由に行う事が可能になり、それらに多数の感情や意見、反応があつまるようになりました。
しかし、自分たちにとっては楽しいはずの投稿が、自分の周りに限定してこっそり楽しむはずの投稿が、漏えいし、学校や所属先企業、周りの人たちに大きな迷惑をかけるケースが起きている事はご存じかと思います。
これらのSNSに投稿する理由の多くは「他の人からの反応がたのしい」と「見られているという実感が得られる」いうものだそうです。
しかし、本来皆さんが自らの考えや行動を人に見てもらう方法はネットへの投稿ではなく、自らの言動や行動を目の前に接している人と社会であるということを改めて考えて欲しいのです。
自分たちにとっての「楽しいこと」が、他の人に与える心情や影響がどうであるか?を一歩立ち止まって考えることができる人になってください。
今後は科学技術の進歩がさらに進み、特にAI(人工知能)の発達はめざましく、これらが実用化されていくと、今人間の手で処理されてる作業の何割かがロボットでまかなえるようになり、労働力としてのマンパワーが溢れて出す時代が来ると言われています。
そのような社会の中でも、必要とされる人間とはどういうものか?を絶えず考え、その努力と勉強を続けていただきたいと思います。
最後になりますが、
皆さんの中には、高校を卒業し大学入学を機に親元を離れ、ひきつづき地元を離れて就職される方がいらっしゃることと思います。
全てのご両親はあなたたちの幸せをなんの掛け値もなく心から願っております。
いろいろな人と出会い、いろいろな経験を積んで、子ども達の人生が幸せであってくれればいいと言ってくれていると思います。
それでも、口にはしないでしょうが、本音は帰って来て欲しいのです。
是非、ふるさととご両親を大切にしてください。
これまでの恩返しは元気に実家に帰って来てくれることです。
一年に一度でもいい、ご両親といっしょに過ごす時間を作ってください。
ご両親に変わって私からお願いいたします。
そして卒業を機に山形を離れるみなさん、是非また山形に来てください。
仕事や人生で悩んだとき、小白川から見える蔵王の山々を思い出し、山形の豊かな自然の空気を吸ってリフレッシュしにいらしてください。
地元から本学に通われた、卒業後も山形に残られるみなさん、県外に行かれたご友人先輩に山形の近況をお伝えください、そして是非山形に呼んであげてください。
卒業生のご家族のみなさん、山形のふるさと納税はお返しが大変良いと評判で、非常に人気がありますので是非ご活用いただき、山形との関わりを続けてください。
卒業生の皆さんのこれからのご活躍と、ご両親、ご臨席のみなさまのますますのご健勝を祈念して私からのご挨拶とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
平成28年3月25日
山形大学人文学部後援会長
大宮孝治